【案内人ブログ】No.6(2017年9月)

「三浦文学でフットパス2017」ツアーを終えて

2017年9月8日 三浦文学案内人  森 敏雄

 8月26~27日旭川・上富良野・和寒3市町の三浦文学ゆかりの場所をめぐる標記ツアーが実施されました。東京や神戸のほか、全道各地から集まった熱心な三浦文学ファンが15名余。男性は只一人。以下はスタッフとして参加した添乗記録です。

8月26日8時30分=旭川駅集合。外は大粒の雨。前途多難な幕開けとなり、降雨の中をバスは出発しました。まずは予定外の就実の丘(ジェットコースターの道あり)を経て、美瑛町(丘のまち)に入り上富良野駐車場公園に到着しました。上富良野町スタッフから心づくしの記念品が配られました。この時点で雨は上がっており、現地でエコ・ネットワーク(札幌)の皆さんと合流。主催者あいさつを経て、バスや乗用車を使い総勢30名余で、日新尋常小学校跡地に向かいました。児童や地域住民の死を悼み、標識(柱)の前で献花し一同手を合わせました。再び駐車場公園に戻り、「泥流地帯の道」起点からフットパスがスタートしました。全長6㎞のコースですが、このうち5㎞余を歩く計画です。開拓記念館前の広場で昼食。メロン丸々四分の一大が超美味で、スタッフの心づくしに感謝しました。開拓記念館内部を見学し、文学碑「泥流地帯」(綾子さんが揮毫)をしっかりと見届けました。

三浦文学でフットパス2017
三浦文学でフットパス2017

左手には十勝岳連峰の豊かな山並みが続きます。山上には雲が湧き風の動きを肌で感ずる状況でしたが、まずまずのフットパス日和でした。綾子さんが取材を重ねた専誠寺(ここで住民に集まってもらった)→郷土館を経て、旭川に戻りました。上富良野町スタッフのアイヌ伝説3題や泥流の地層見本などは、大変苦心されたことと思います。ありがとうございました。上富良野~旭川の中間地点、美瑛町では滝のような豪雨に逢い、遠くに雷鳴を聞きました。対向車はすべてライト点灯、各車とも激しい水しぶきを上げての走行でした。

旭川の入り口に到達すると雨が止み「氷点の道」歩きが楽しめると思いきや、宿泊先のWホテル経由で出発点=旭川東高前にたどり着くと、またもや雨の再襲来! 傘を差したり合羽を着ての、雨中の文学散歩と相成りました。旭川六条教会→郵便局跡→4の8バス停→喫茶ちろる→旧アサヒビル→旭川駅という道程でした。ガイド役長友学芸員の声は半分しか聞こえません。三浦文学館まであと一息です。が、雨の中の歩きは辛い。時間にして20分位。ツアー会社が気を利かせて、旭川駅にバスを手配してくれました。良かった・助かったとバスに乗り込むと、走り出してすぐに雨が上がり、虹がアーチを描いておりました。16時20分三浦文学館に到着です。早速館内中央フロアでの記念写真撮影。思い思いに30分ほど館内を見学し、17時10分宿泊先のWホテルに到着しました。全員疲れ切った様子でしたね。ホテル内で小休止。天然温泉入浴などを楽しんだことでしょう。

三浦文学でフットパス2017
三浦文学でフットパス2017

18時30分隣のMホールで交流会が始まりました。佐川実行委員長あいさつは、“三浦文学を通して地域間交流を図っていきたい。この度フットパス第一人者小川巌先生の同行に感謝している。ここに先生の息子さんが参加しているので、浩一郎氏からフットパスについてレクチャーしてもらいたい”との話で、マイクは浩一郎氏にバトンタッチ。フットパスはイギリス発祥。道内には50地域/200のフットパスコースがある由。続いて、ツアー会社による本日の足跡をたどるスライドショーの映写が始まりました。そして、乾杯! グラスの触れる軽いタッチが各テーブルに響き、いよいよ晩餐の宴が始まりました。飲酒は飲み放題、料理のメニューは前菜・刺身・中華・魚料理・肉料理・寿司・デザートという豪華版。籤が取り持った隣人(参加者)との会話が弾みました。

19時ころ本日のハイライト、朗読グループ「綾の会」&「三浦文学案内人の会」&文学館スタッフによるミニシアター「泥流地帯」の朗読ライブが実施されました。この場に、当日一緒に歩いた田中館長、森案内人も飛び入り参加しました。参加者の共通話題は、三浦文学であり三浦綾子さん、そしてフットパス。スペシャルインタビューや、拓一・耕作・佐枝セリフ語り体験コーナーがありました。ライトを消した中、キャンドル下での小川巌先生誕生日を祝うひとときもあり、あっという間に時間が経過。和気あいあいのうちに散会の時間を迎えました。最後に佐川実行委員長が、参会者の前で高らかに宣言しました。“「泥流地帯」の映画化を何としても実現させたい”~この熱い思いに皆賛同し、惜しみない拍手を贈りました。20時30分これをもってお開きとなりました。フリータイム、就寝です。

8月27日8時10分第2日目スタート。昨日とは打って変わり、終日晴天が予測されました。その中を小説「塩狩峠」のゆかりの地、和寒町塩狩地区を目指しました。バスは1時間ほどで塩狩駅傍の塩狩峠記念館に到着。ここには和寒町民も多数参加しており、イベント開会式には総勢50名余が詰めかけておりました。主催者あいさつを経て、鉄道線路脇の「長野政雄殉職の地記念碑」前で和寒町スタッフの説明がありました。9時30分ころ縦一列になって「塩狩峠の道」起点からのフットパスが始まりました。夫婦岩では上空にドローンの歓迎があり、一人ひとりに地元ミニトマトが振る舞われました。全長8.4㎞のところを夫婦岩を中心とした南半分5.5㎞を歩き切ると、迎えのバスが待っており、昼食会場に案内されました。和寒町はカボチャの作付が日本一! 夫婦岩は標高333メートルの山上にあり、明治36年発見されました。仲良く寄り添うような10メートルほどの「男岩」と「女岩」の屹立が見事でした。連想ゲームではありませんが、綾子さんの小説「岩に立つ」を思い出しました。

三浦文学でフットパス2017
三浦文学でフットパス2017

正午前にバーベキューハウスでジンギスカン昼食が始まりました。七輪に炭を起こし金網を乗っけての新スタイル(?)。初めは上手に焼くことができませんでした。肉がおいしかったです。私たちはほぼ食い逃げ状態です。後片づけが大変だったと思います。和寒町スタッフの皆様、ごめんなさいです。13時私たちは会場を後にし、JR和寒駅に向かいました。和寒町スタッフからおみやげをもらい、その上彼らの温かい見送りを受けて、13時38分快速なよろ6号でフィナーレの旭川駅を目指しました。途中の塩狩駅では、キリストの僕として忠実に生死した長野政雄さんを、各自思い思いに偲ぶことができました。14時31分旭川駅到着。旭川駅東口では文学館の難波事務局長、江川スタッフが私たちを迎えてくれました。早速文学館からもおみやげが配られました。続いて解散式があり、田中館長から参加者へのお礼とスタッフへのねぎらいの言葉がありました。ツアー会社添乗員や文学館難波事務局長からもお礼の言葉があり、15時ころ名残を惜しんで散会。2日間の一大イベントはここに最後の幕を下ろしました。

参加された三浦文学ファンの皆様、大変お疲れさまでした。私は何のお役にも立てず、申し訳なく思っています。道中このツアーに一番で申し込んだ、東京から参加された人と少しお話ができました。函館から参加された一人とは、函館の印象や三浦文学を語ることができました。前川正さんの弟さん(10年位前、81歳で亡くなった)と同じ町内会に住む人や50年前の旧友(女性)の消息を伝えてくれた人、三浦文学案内人講座受講中の人にもお会いでき嬉しかったです。唯一の男性とも少しばかり雑談を交わすことができました。私にとっては、一期一会の心に残る印象深い2日間でした。3市町実行委員会の皆様、その手足となって活動された皆様、文学館スタッフの皆様、「綾の会」&「三浦文学案内人の会」の皆様、本当にありがとうございました。改めて感謝を申し上げます。